ねえふっち君、せめて夢の中でくらい

なんてこった、僕は夢の中でまでリカニーをしちゃった。それは、となりの部屋で友達が2人話しているのに、それでもリカニーを決行する夢だった。僕は梨華ちゃんの写真集を探したんだけど、見つからなくて結局、想像だけでリカニーするにいたった。となりの部屋から友達2人の話し声が小さく聞こえてくる中で、僕は自室のベッドの上であお向けに寝そべり、梨華ちゃんと愛し合うところを想像しながら、しました。
ねえふっち君、せめて夢の中でくらい、梨華ちゃんとエッチしようよ。マジで。どんだけリカニーが好きなんだよ。ああ、夢の中でも夢の外でも、僕の頭の中はリカニーでいっぱいだ。いや、違う、梨華ちゃんでいっぱいだ。
やだ梨華ちゃん、どうしてそんなに可愛いの?
僕の部屋には、梨華ちゃんのポスターが4枚貼ってあるんだけど、これらのポスターがあるために、僕の貴重な時間が削り取られていく。一日に何度も目が合って、そのたびに長いこと梨華ちゃんと見つめ合うから。「やだ梨華ちゃん、どうしてそんなに可愛いの? 可憐な目だなあ。やだ、見つめないで。恥ずかしいよ。え? 見つめているのはふっち君のほうでしょうって? これはしまった、その通りだ。でも、こうやって目が合っているってことはさ、梨華ちゃんも僕を見つめているってことでしょう? んもう、照れちゃって。梨華ちゃんのそんなところも好きだよ。シャイだね。実は僕もシャイなんだ」とか言ったりするから。そしてくちづけをかわすから。「ちゅ。……シャイな僕だけど、勇気を出してみたよ。梨華ちゃんのことが好きだから。ずっとずっと大好きだよ」なんて言ってね。4枚のポスターがあるから、それを一度に4回も繰り返すんだ。そしてその4回を、一日に何度も繰り返すんだ。
そんなわけで、僕の時間はどんどん梨華ちゃんのポスターに吸い取られていく。それと同時に、僕の中にある何かとても大事なものも吸い取られていく。取り返しのつかない何かが。言葉にして説明するのは難しいけれど、青春のきらめきだとか、そういった何かが。ポスターの梨華ちゃんの、可愛らしいくちびる。そのあたりの色合いが、だんだん変わってきているような気がする。僕の青春のきらめきが、梨華ちゃんのくちびるの色を変えているのかもしれない。*1
*1:2026年6月25日、文章を読みやすく整えました。