
【夏の思い出】七里の夏祭りで酒を飲んでアイドルのライブを見た日 - YouTube
みなさんこんばんは、ふっち君(ふちりん)です。先日、YouTubeに新しい動画を投稿しました。七里商工会夏まつりに行ってきた時のVlogです。夏まつりの雰囲気と、大宮アイドールのライブの最高さを楽しめる動画になっているので、ぜひご視聴ください。チャンネル登録と高評価ボタンを押して頂けると嬉しいです。
ところで、10月20日の日曜日には、Lapisの小川さくらちゃんの卒業公演に行ってきました。Lapisは、大宮アイドールと同じ事務所のアイドルグループで、今では大宮アイドールと同じくらい人気があります。僕は最初、Lapisの中では齋藤愛理ちゃんが好きだったんだけど、愛理ちゃんはかなり早い段階でグループを脱退してしまい、推しがいない状態になりました。それでも何となく店舗*1に通っているうちに、パワフルイエロー担当の小川さくらちゃんとよく話すようになり、彼女の人間としての能力の高さに幾度となく驚かされました。頭の回転がすこぶる速く、こちらが何を言っても当意即妙の受け答えをするし、お給仕の仕事もテキパキこなすし、アイドルとしてのパフォーマンスの完成度も高い。この時さくらちゃんは21歳だったから、「21歳にしては人間としての完成度が高すぎるんだけど! もしかして人生2周目なのでは?」と思い、僕は勝手にさくらちゃんのことを「人生2周目系アイドル」と呼ぶようになりました。

さくらちゃんは僕の年齢の半分くらいなのに、僕より圧倒的に人間としての能力が高いので、さくらちゃんのことを尊敬のまなざしで見つめていました。人生2周目ということは、さくらちゃんは実質的には100歳くらいです。僕よりいちじるしく年上の先輩です。僕はさくら先輩から人生について色々学びたいと思い、Lapisちゃんのいる日の店舗に足しげく通いました。そしてふと気づいたらLapisでの推しメンは小川さくらちゃんになっていたし、そののちには、さくらちゃんに恋心のようなものを抱きはじめました。それは動悸や不整脈ではなく、胸のときめきだったと思います。僕は、アイドルへのガチ恋には苦い思い出があるので、好きになり過ぎないように気を付けながら、さくらちゃんと接していました。その努力の甲斐あって、最後までさくらちゃんへの「好き」はガチ恋までには至りませんでした。卒業公演で、さくらちゃんと別れるときに抱いていた感情は、「恋かもしれないくらい好き」でした。もし僕が恋心に抑制をかけていなかったら、今頃はさくらちゃんに完全にガチ恋をしていて、さくらちゃんロスによって精神が崩壊していたかもしれません。
さくらちゃんの卒業公演は、会場が渋谷DAIAで、開場は午前10時30分だったので、大宮に住んでいる僕はかなり早起きする必要がありました。午前8時に起床し、めったに付けないコンタクトを付け、朝食を食べずに心臓の薬を飲んで家を出ました。そして最寄り駅から大宮駅に行き、大宮から渋谷に行きました。電車の中で動悸や不整脈が出たらどうしよう、という不安があったけれど、それはとりあえず大丈夫でした。渋谷には綺麗な青空が広がっていて、街はいつもよりキラキラしていました。

僕は心臓の調子を確かめるようにしてスクランブル交差点を渡り、渋谷DAIAのほうへと向かいます。渋谷DAIAには石川梨華ちゃんのバースデーイベントで何度か行ったことがあり、迷うことはありません。途中で朝食をとっていないことを思い出し、セブンイレブンに寄って塩むすびを一つ買い、近くのベンチに座ってむしゃむしゃと食べました。美味しい塩むすびを腹の中におさめて腕時計を見ると、午前10時43分。そろそろ会場に入ることにした僕は、腰を上げて渋谷DAIAへ向かいます。スタッフにチケットを提示し、ドリンク代600円を無愛想なお兄さんに支払い、ウーロン茶を受け取ります。酒も飲めるのかもしれないけど、飲むつもりはなかった。酒を飲んだら動悸や不整脈が出てしまうかもしれないから。それが酷ければ、救急車が来てしまうかもしれないから。もしそうなれば、さくらちゃんの卒業公演が台無しになってしまうから。

渋谷DAIAの中に足を踏み入れると、そこはほぼ満員の状態だったので、僕はとりあえず入口付近に立ち、早期予約特典のブロマイドを見ました。小川さくらちゃんと大原めいちゃんが仲良さそうに写っています。めいちゃんはLapisのライトグリーン担当で、さくらちゃんとは大の仲良しです。「さくらちゃんが卒業したあとの、めいちゃんのメンタルが心配だな…」と思いながら写真を裏返すと、そこには僕へのメッセージが書いてありました。さくちゃん、こちらこそありがとう。僕も大好きです。

ウーロン茶を飲んでいたら尿意を感じ、トイレに行きました。するとそこには育児休業中のスタッフ、森ちゃんがいました。僕は森ちゃんの隣りに立って小便器におしっこをしながら、森ちゃんに「さくちゃんが卒業したらどうするんですか?」と問われ、「うーん、わからないです…」と答えました。ちなみに森ちゃんは、同じくスタッフの遠田さんとYouTubeチャンネルを立ち上げるらしいです。たぶんお笑い系の。「ふちりんさん目指して頑張ります!」と森ちゃんは言っていたけど、僕は底辺YouTuberなのですぐに追い抜けると思います。
卒業公演は、午前11時ちょうどに始まりました。暗闇の中にたくさんの黄色いサイリウムが灯り、サイリウムを持ってくるのを忘れたことに気付きました。生きて会場までたどり着けるかどうかの不安で、頭の中がいっぱいだったから、サイリウムのことをすっかり忘れていました。僕はサイリウムを不所持の上に、後方で彼氏面をしていたにもかかわらず、ステージ上のさくらちゃんと何度か目が合いました。あるいは、目が合ったような気がしました。あまりレスをしないタイプのアイドルであるさくらちゃんが、最後の最後に何度もレスを送ってくれて、とても嬉しかったです。僕にとっては、アイドルと目が合えばレスです。それが気のせいだとしても、レスです。さくらちゃんは卒業公演用の、まるで天使のような衣装を着ていて、他の4人のメンバーは過去のさくらちゃんの黄色い衣装を身にまとっていました。大原めいちゃんはお団子ヘアーをしていました。それはさくらちゃんがよくやっていた髪形だったので、ときおり、めいちゃんがさくらちゃんに見えました。
最後の曲は、Lapisの曲の中で最も盛り上がる『Secret Honey』でした。そのとき、僕は生まれて初めて「アイアイ」*2をやりました。僕は相変わらず後方で彼氏面をしていたのですが、僕の立っている地点が、「アイアイ」の中心点の近くだったのです。サビで「アイアイ」が始まると、僕の周りの人びとが一斉に腰をかがめ、それから立ち上がり、両手の人さし指で天を何度も激しく突きました。「アイアイ!」の掛け声とともに。この状況では、後方彼氏面の僕も「アイアイ」をやらないわけにはいきません。僕は2回目から「アイアイ」に参加し、腰痛を気にしながら腰をかがめ、ゆっくり立ち上がり、両手の人さし指でひかえめに天を何度か突きました。「アイアイ…!」と小声でつぶやきながら。「アイアイ」をやったせいかは不明だけど、そのあと持病の腰痛がやや悪化しました。
さくちゃんは、最後のMCで「さくならどこに行っても上手くやれると思います」と発言し、本当にその通りだと思いました。さくちゃんは人生2周目で、ありとあらゆる能力が著しく高いので、どこに行っても絶対に上手くやれると思います。さくちゃんが上手くやれない場所は地球上にほぼほぼ存在しないと思います。ただ、人は恋をすると頭がおかしくなり、どれだけ能力が高い人でも変な間違いを犯してしまうので、恋についてだけは気を付けてほしいです。僕は恋をして変なことをし過ぎた人生なので、最近は恋をしないように重々気を付けています。

卒業公演が終わり、いったん外に出て物販の列に並びました。さくらちゃんのチェキチケットを1枚購入します。そして再び会場に入り、さくらちゃんのチェキ列に並んでいると、のぶさんが僕の後ろに並びました。のぶさんの後ろにはおさむさんが並び、「ふちりんさん大丈夫ですか? さくちゃんが卒業したら死んじゃうんじゃないですか?」と心配してくれました。ここ数年の僕は、さくちゃんの支えによって何とか生命を維持していました。さくちゃんは僕に会うたびに、「次のLapisのワンマンライブまでは生きよう!」などと、僕に生きる目標を提示してくれていたのです。さくちゃんがいなければ、僕はもうすでに死んでいたかもしれません。命の恩人です。さくちゃんはある日、「私ね、ふちりんの命を背負ってる自覚あるよ」と言っていました。長い間、そんな重いものを背負わせてしまって、すみませんでした*3。卒業後は、その重荷を下ろして、自由にのびのびと生きていってください。僕は、さくちゃんがいなくても、強く生きていくことができると思います。だって僕の胸の中には、さくちゃんとの幸せな思い出がたくさん息づいているから。ある日、僕は大宮アイドールカフェに行こうとして、カフェの入っているビルの前に立っていました。すると上の方から「ふちりん!」という声が聞こえました。見上げると、2階のカフェの窓からさくちゃんが笑顔で手を振っています。僕は照れ笑いを浮かべながら手を振り返し、「まるで青春の1ページみたいだな…」と思いました。そのときの思い出は、きっと一生忘れることはないでしょう。

チェキ列に1時間くらい並んで僕の番が来ると、緊張で動悸が激しくなっていました。心拍数は1分に100以上ありそうです。ここで倒れるわけにはいかない、と思いながら前に進み、さくちゃんに手を振ります。「さくらんど住人表に写真貼ってるの、ふちりんだけだよ!」とさくちゃんは笑います。さくちゃんは、僕が渋谷まで無事に来られたかどうか心配してくれました。「なんとか来れました。さくちゃんのおかげで、今まで生きて来られたよ。ありがとう」と告げると、さくちゃんは目に涙を浮かべていました。そのとき僕は思いました。「ああ、さくちゃんの今までの優しさは、全て本当のものだったんだ」と。さくちゃんに別れを告げて、スタッフからチェキを受け取ると、僕は会場の隅っこに行ってチェキを眺めました。少しずつ浮かび上がってきたさくらちゃんは、いつもの笑顔ではなく、少し切なそうな顔をしていました。
